先日、ゲーム業界では Unity と並ぶフレームワークである「Unreal Engine」(以下UE)のバージョン5(UE5)が正式リリースされた。
↓の MATRIX AWAKENS の映像も UE5 で製作された。
キアヌ・リーブスももちろん実物ではなく3D-CGモデルだし、映像中に出てくる街の風景も車の大群も全てが3D-CGモデル。
このクオリティのモデルがリアルタイムで操作できるというのは、PlayStation が発売された当時を考えると、たった30年弱でここまでくるとは本当に驚愕だ。
ハードウェアの進化もさることながら、ソフトウェアもそれだけ進化してきたということなのだろう。
これだけのクオリティの映像をリアルタイムで再現するコードを書くには、本来ならかなり高いプログラミング技術が求められる。
ただ 3D-CG で美麗な映像を表現するだけでなく、リアルタイムでそれを操作可能にするためにはデータの最適化やメモリ管理など、さまざまな領域での知識も必要だ。
それをイチから全て実装できるような開発会社は、日本では片手で数えるくらいだろうし、世界を見渡してもそう多くはないだろう。
そういった苦労から極力解放され、大手が開発するようなゲームと遜色ないレベルのゲームが開発できるようになることをフレームワークには求められるのだが、UE5 を使えば、資金的・技術的な制約が多いインディーズや中小規模の開発会社であっても、大手と真っ向から勝負できるタイトルを開発できるのではないか、と思わせてくれる。
(もっとも、モデル大量生産が必要な AAA タイトルなんかだと、今のところまだ大手に一日の長どころか百日の長くらいあるが)
ということでツラツラと能書きを書いてみたが、要はこれからはUE5ある程度触れて、もし案件の話が来たときに最低限技術的な話ができるようにはなっとかねーとやべーぞ!
ってことで、まずは自宅の PC に UE5 をインストールしてサンプル動かしてWindows用ビルドするところまでやってみたお話。
UE のインストールには、通常 Epic Games Launcher というアプリを使用する。
このアプリは Epic Games 製のゲームのインストールや起動などを行うためのアプリなのだが、ゲームだけでなく UE もインストールすることができる。
Epic Games Launcher をインストール・起動したら、左側のメニューから「Unreal Engine」を選択し、上のタブの「ライブラリ」をクリックすると Engine バージョンという項目に、インストール済、あるいはインストール可能な UE のバージョンが表示される。
UE5 なら「5.0.0」だ(2022年4月12日現在)が、Launcher のバージョンが古いと表示されない場合もあるようだ。
自分も当初、UE5 がリリースされているはずなのにも関わらず、いつまで経っても Launcher が表示されないという現象が起きた。
念のため PC にインストールされているバージョンを調べてみたら 11 で、UE5 リリース時点の Launcher のバージョンである 13.3.0 よりも古かった。
もし Launcher に UE5 が表示されない、という人は、念のため Launcher のバージョンを調べてみた方がよいかもしれない。
インストールが完了すると、↓のような感じで「5.0.0」が起動できるようになる。
またせっかくなので、UE5 の実力を知るためのサンプルとして「CitySample」というサンプルプロジェクトをダウンロードしておく。
これは先程の MATRIX のデモの都市のシーンをそのまま遊べるサンプルだ。
もちろん UE5 用のプロジェクトなので、これを弄ってさらに新しいゲームを作ることも可能だ(無論配布はできないが)。
なおこのサンプルプロジェクトは 90GB 以上ある上、ダウンロード後にこのプロジェクトを初めて読み込むと、弄れるようになるまでかなり時間がかかる。
自分の環境では30分以上かかったのだが、これはプロジェクトの保存先が HDD だったことも影響しているのかもしれない。
UE のプロジェクトは、最低限アクティブなものについては SSD に置いておいた方がよさそうだ。
思った以上に長くなりそうなので続く。
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