一時退院のチャンス

2018年3月13日午前。
生涯4回目の骨髄穿刺。
何度やっても、骨髄を吸われる時のあの感触は慣れない。

夕方、自分が一番最初に入社したゲーム会社である今はなきヒューマンの先輩であり、がんサバイバーであるTさんがお見舞いに来てくれた。
Tさんはグラフィックデザイナー、自分はプログラマと職種は違うが、同じ業界で働き、同年代であり、小学生の子供を持ち、部位は違えどがんにかかったという共通項があるので、とても話がはずんだし、また経験談をいろいろ聞かされて大変タメになった。
Tさんを含むヒューマンの先輩方とは、毎年末にヒューマンがあった吉祥寺で飲むのが恒例となっているが、今年は参加できるだろうか。
せめてノンアルコールでいいから参加したいところだ。

Tさんが引き上げた直後、主治医がやってきた。
ちょうどその時妻も来たので、一緒に話を聞く。

午前中にやった骨髄穿刺の結果、残念ながらがん細胞はまだ残っており、しかも前回の抗がん剤治療直後の骨髄穿刺の結果と比較して、1割も減らなかったそうだ。
そもそも、前回・今回とやったCAG療法と呼ばれる抗がん剤治療で使われている抗がん剤は、そこまで強力なものでもないそうで。
あまり強力なものを投与しても、がん細胞をやっつける代わりに身体を痛めつけることもになってしまい、いざ移植となった時に耐えられなくなってしまうんだとか。
なので、今回の結果もやむを得ないというところだろう。

今後については、骨髄バンクでドナーが見つかるまでは引き続きCAG療法を続けていくことになるのだが、自分のメンタル面を考慮して、一時退院を目指す方向で進めていくことになった。
具体的には、ノイトロジンという白血球を増やす薬を毎日投与し、白血球のみうまく増えていってくれれば、白血球が一定数に達したところで数日〜1週間程帰宅できるということだ。
但し、Blast細胞という、白血病の患者の血液中に出てくる異常な細胞があるのだが、これも一緒に増えてしまう場合は、残念ながら一時退院は諦めて入院を継続せざるを得ない。
さっそく夜、ノイトロジンを注射して貰った。

そして翌朝、採血。
この採血の結果によって、一時退院できるか否かが分かる。
白血球のみ増えてくれれば、このままノイトロジンを毎日注射し続ける。
Blast細胞も増える場合はこの治療は中止。
近いうちにまた抗がん剤治療が始まることになる。

入院して2ヶ月半が経ち、まだまだ先が見えない闘いが続く。
できることなら、ここで一旦戦線を離れて、自宅でリフレッシュしたい。
思わぬタイミングで出てきたチャンス、ものにしたいところだ。

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